■ 荷馬車に乗せられて ■そのガラスの目は遥か遠方までこれから行く路を照らし
その鋼鉄の心臓は正確に鼓動を刻み
その二つの足はアスファルトを蹴り俺を望むところまで赴く。
(⊃д`゚)゚。大学の頃から長年連れ添った原付がついに引き取られていきました。SUZUKIのLet's(初期型)です。もう動かなくなってしまい直せば動くんですがボロボロの体にこれ以上鞭打つのは酷だと思い、再生の道を進んでもらうことにしました。
このLet'sは当時にしては珍しいやたらでかいメットインを持ってまして、更に前部は開閉式になっていてそこにも収納スペースがあるというまさに走る倉庫。雨合羽やフルフェイスメットなどバイク使用時に使う物をすべて収納できるので大変気に入っていました。
しかも通常のスクーターと違ってライトが下にあるんですね。このデザインは画期的でした。他に無かったと思う。ハンドルにライトがついてるんじゃないからハンドルを動かしてもそっちを向かないんですよね。あくまで本体の向いてる方向を照らす仕様も面白かったです。
そして何よりこのバイクは大変な苦難を俺と乗り切ってきました。
走行中にスタンドがちぎれて落っこちたり車用オイルをガソスタ店員に入れられてエンジン焼きついて交換したり前輪のリードワイワー(て言うのか?)がなくなってるから途中から速度がわからなかったりキックペダルが癒着して戻らなかったり。
一度は彼女に譲渡して俺の手元を離れてたしね。
雨の日も雪の日もマジであいつさえいればどこにでも行ってました。ソレこそベロベロに泥酔して乗って帰ったこともあったし12時間以上神奈川県内をドライブしたりもした。雨の日に。
そんな予備校~大学~フリーター~派遣社員の期間ずっと俺の脚となって働いてくれたLet's君ともお別れです。最近は職場も近いからずっとマウンテンバイクで全然かまって上げられなかったのが心残りですが。
バイク屋の元でエンジン交換して次の買い手を待つようです。
まだ買い手が付きそうなうちに手放したほうがあいつのタメにもなるもんね。俺のところでくすぶってるのはかわいそう。途中から走行距離は測れなくなったけど相当走ったと思う。走らせてあげられない方がかわいそうだ。
たかがスクーターとお思いでしょうが、俺とあいつの走行距離は止まったままいつまでも思い出に残ると思います。最後はもう全然速度出なかったけど本当にいいスクーターでした。
おつかれっ!!